システマではシャシュカ(コサックの刀)を使った練習もします。
シャシュカを練習することで、インターナルワークや身体の使い方が上達していきます。
今回はミカエルに習ったシャシュカ立ちのやり方をご紹介します。
シャシュカ (Shashka) とは
シャシュカはロシアの軍刀で、もともとカフカス地方の使われていたものが、ロシア軍が借用して、竜騎兵とコサックが使用していた刀です。
鍔がないのが特徴で、馬上から地上の歩兵をなぎ倒したりするように使っていたようです。
個人的には武器というより護身のために携帯したのではないかなぁと勝手に思っています・・・。
システマではナイフも練習しますが、シャシュカも練習します。
ぞれは実際につかうというより
身体の使い方やフォースの運用の仕方を学んだり、
システマ独自の体を作る
という意味合いが強いように感じます。
シャシュカ立ちの効果
シャシュカ立ちは個人的には基礎作りの方法の一つという印象です。
練習することでシステマの身体を作っていくことができます。
インターナルワークの導入として
まったくインターナルワークの感覚がつかめない人はシャシュカ立ちをするといいと思います。
うろ覚えですが最初に日本に紹介されたときはインターナルワークの練習の一環だったかと思います。
そのセミナーの後はみんなシャシュカ立ちをやってました。
私もこれを一年くらい続けて、あるていどインターナルワークができるようになりました。
武器の扱いと身体の使い方を学べる
シャシュカは他の武器術の元になる位置づけのようです。ナイフなどはシャシュカの応用としてかんがえることができます。
また身体の使い方を学ぶには、他にもムチやスティックなど、少し長めのものを使うとよいとミカエルは言っています。
シャシュカ回しのようにつかわない
シャシュカの動画を見るとくるくると回している動画がたくさんあります。
システマ練習者の中にはできる人もいますが、私は出来ません(汗)。
ただミカエルいわく、「つかうときはただ上げて下ろすだけ」と言っていて、シャシュカ回しのような使い方はしないということです。
回すと手首がやわらかくなっていいんですが、やり方を習わないと手首をおかしくしますね。
シャシュカ立ちのやり方
シャシュカの持ち方
「武器を使うなら、武器をしっかり感じることが必要」というのはミカエルの言葉です。
最終的には武器を持っているけれども、武器として感じるのではなく、自分の体の一部のように感じることが重要。
そのためにはまず持ち方からレクチャーされます。
持ち方のワーク
- シャシュカを持って立ちます
- 一旦身体を緊張させて、次に体幹の緊張を抜きます
- 腕の緊張も抜きます
- 指をシャシュカにかけるようにもちます
- シャシュカを感じるようにしていると、自然に手の持ち方を正しくしてくれます
最後の部分はよくわからないかもしれませんが、力を入れずにシャシュカを保持するために必要な力だけを使うことを心がければいいと思います。
私個人は手の甲にテンションが入ってしまうことが多く、そのテンションをシャシュカに移動させて力を抜くようにしてます。
シャシュカを持っての立ち方
立ち方のワーク
- たった状態でシャシュカを片手に持ち、下にぶら下げた状態になります。
- そのままリラックスした状態で、手に何も持っていないような感覚になるまで立っています。
そのうち身体が勝手に動き出すと思います。これは身体が全身を整えようとしているので、そのままにしておきます。
身体も暖かくなってきます。
足のほうが暖かくなってきたら身体の準備ができたということなので、歩き出して大丈夫です。
ここはモスクワの生徒さんのコメントですが「手がシャシュカに溶けていくような一体感がある」ということです。
正直、私はそこまで感じたことはありませんが、対人ワークのときに相手の体と自分の手が溶けてくっついたと感じるときがときどきあります。
そういう時は相手の体重は全く感じず、簡単にコントロールできるようになります。
それと似た感じなのだろうと思います。
終わったら、もう片方の手もやります。
シャシュカを上にむけて立つ
次にシャシュカを上に向けて持って立ち、同じように感じます。
これも両方の手でやります。
ミカエルは、これは「一日に片方の手で15分くらいやれば充分だ」と言っていたそうです。
が、もうだいぶ前の話なので、今もそう思っているかどうかはわかりません。(他のインストラクターは6時間以上やってたりするそうです・・・)
歩く
終わったら、次はシャシュカを持って歩きます。
歩くワーク
- 最初のようにシャシュカを下に床にすれすれにして持ちます。
- シャシュカに先導されているような感覚で歩きます。
ドアノブをもってドアを押して入っていくときの感覚に似ているそうです。
手が緊張しないように。
慣れたら身体全体を感じるように、目を閉じてやります。
振り回す
次に自由にシャシュカを動かします。
振り回すワーク
武器が自分をリードしてくれるような感覚を得る
- 自分をしっかり感じながら、
- 武器を感じながら
- 自分の身体が内部でじゃましないようにしながら
動かすと言うより、シャシュカに動かされている感覚でうごかします。
立ってやったり
寝てやったり
小さな武器でもやってみる
目を閉じてやったり
立ち上がって、武器が導くままに歩いたりします。
シャシュカの練習につかう道具や動画の紹介
シャシュカの練習につかう刀や杖
シャシュカを手に入れることは日本ではほとんどできません。輸入しても入管で没収されてしまうこともあるそうです。
自作している人もいますが(はてなブログ:「火薬と鋼」)、普通に日本で手に入れるとしたら、DENIX のレプリカくらいになると思います。
シャシュカのレプリカ
私はこれを使ってます。ダイキャスト製で打ち合いなどはできませんし、どうも重心も本物と違うらしい。
それでも金属であることがいいので、つかってます。
ちなみにごの記事のトップの写真もこれです。
スティックや杖、木刀(中刀)
最近はヴラッドもシャシュカ立ちを指導していますね。そのときトロントではスティックをつかっています。
スティックはホームセンターで長い棒を買ってきて、切ってもらってカーボンで塗装すると安くすみます。
木刀をつかう人もいます。シャシュカは片手持ちなので子供用の長さが丁度いいです。
居合練習刀
金属がよい、ということで居合刀を使ってる人もいます。私もシャシュカを手に入れる前はこれでやってました。今も使っています。
トレーニングナイフ
ナイフでやっても良いです。
※ 最近はアマゾンでは金属のトレーニングナイフが見当たらず、楽天や個人ショップ、システマ東京のオンラインショップで直に見に行くことが多いです。
下のロシア製の金属トレーニングナイフも楽天市場で見つかります。
シャシュカの練習をより詳しくわかるDVDや動画
最初にシャシュカ立ちを紹介されたときのセミナーの DVD です。もうほとんど出回ってないのかもしれません。
またシステマ東京のオンラインショップにて国際セミナーの動画が販売されています。
こちらの内容のほうが新しいと思います。
さいごに
シャシュカを持って立つワークについては、複数のインストラクターがブログで書いてます。それほど重要なワークなのだと思います。
シャシュカを練習することで、インターナルワークや身体の使い方が上達していきます。
武器術の基礎となるものなので、ナイフや銃の使い方にも通じるものがあり、
練習することで他の武器の扱いも上達していく、とてもお得な練習なのでした。