このような経験はありませんか?
・文章の内容がぼんやりしてると言われた
・Google AdSense になかなか合格しない
・書いているうちに文章が複雑になってしまう
こういった悩みは、ロジカルライティングを覚えると解決します。
ロジカルライティングは、欧米で発達したコミュニケーションツールです。
多民族国家で言葉も考え方も異なる人々が、お互いの意思疎通を目指して作り上げたツールです。
やり方はとてもかんたんです。
基本を一度理解してしまえば、誰でも使えるようになります。
この記事には次の内容が書かれています。
- ロジカルライティングの基本
- 実際のロジカルライティングの構成
- おすすめの参考図書
私自身、もともと作文が苦手でした。
20年くらい前にロジカルライティングを知り、文章を書くことがそれほど苦ではなくなりました。
今もレポート作成やメール書きなどに使っています。
いりやん
- 本業では、日本語・英語の文章をほぼ一日中書いてます。
- 副業で複数のブログサイトを運営。PVはそれぞれ月1000強です。
- 週に1〜3のペースでブログ記事を更新。発生収益は月に3~5桁です。
ロジカルライティングの基本を覚えると、初めての相手でも自分の意図や背景を明確に伝えることができます。
何度もメールのやり取りをする必要もなくなり、コミュニケーションコストも大幅に削減できます。
日本語でも英語でも、ビジネスでもプライベートでも、わかりやすい文章がかけるようになります。
(この記事は以前の「論理的な文章の書き方を考える」をリライトしたものです。)
ロジカルライティングのポイントは3つだけ
人に理解されやすい構成、話の展開というものはあります。
最初にこれ書いて~・・・次にこれ・・・というやつです。
じゃあ構成ってどうするの?
というと、ポイントはこれです。
- メッセージ(言いたいこと、意見)は一つの文章に一つだけにする(いくつも詰め込まない)
- 最初にメッセージを書く
- その理由を3つ上げ、それぞれの実例を上げて、メッセージを補強する
構造をイメージにすると下のような感じです。
メッセージ(言いたいこと)を3つの理由で補強し、それぞれの理由も具体例で補強するイメージです。
ちなみにこれは普通の書き方で、 TOEFL テストのライティングの教科書にも出てきます。
▶ Z会 TOEFL iBT® ライティングセクションのポイント
起承転結は忘れましょう:
文の構成というと「起承転結」が頭に浮かんでくると思いますが、「起承転結」はとりあえず忘れましょう。
「起承転結」は中国の4行詩がオリジナルなので、エッセイや説明文の参考にするには違和感があります。
ではひとつひとつ、見ていきましょう。
ロジカルライティングを実際にやってみましょう
ロジカルライティングをやってみましょう。
手順は以下のとおりです。
- 言いたいことを一つ決める
- 結論を書く
- 理由を3つ書く
- 実例をあげる
① 言いたいことを一つ決める
作文する前に読者に何を伝えたいのか、一つだけ「メッセージ(言いたいこと)」を決め、一文にしてください。
例えばこんな感じで、一文にまとめます。
メッセージの例
- 転生もの小説はハリウッド映画の定番シナリオと同じである
言いたいことが2つあると、その文章は2つのトピックについて説明していくことになります。
すると読者はどっちの話をしているのかわからなくなります。
言いたいことが2つ以上あるときは、文章を分けましょう。
② 最初に結論を書く
上の「メッセージ」はそのまま結論になります。そしてそれは最初に書きます。
突然結論を書くことに抵抗があるかもしれません。ですが読者は基本的には最初のほうしか読みません。
なので言いたいことは最初に書くことが重要です。
③ 理由を3つ書く
結論の次に理由を書きます。
最初の伝えたいことの根拠を伝えることにより、メッセージに重みが出てきます。
例えばつぎのように「なぜ同じだと思うのか」その理由を3つリストします。
理由の作成例その1
- 転生もの小説はハリウッド映画の定番シナリオと同じである
- 両方とも「主人公が日常生活から、非日常世界に投げ出される」という導入がある
- 両方とも「試練、仲間、宿敵との出会い」がある
- 両方とも「最大の危機、勝利」がある
英語圏だとデフォルトで、ほとんどメッセージの次に理由が来ます。
数が3つなのは大した理由はなく、「2つじゃ足りない、4つ以上だと多すぎる」ということでした。
どうしても思い浮かばなければ2つでも構いません。
1つではちょっと弱いです。1つでは客観性に?がつくので、最低2つです。
④ 実例を書く
最後にそれぞれの理由に客観的な実例(エビデンス)を書きます。
理由をサポートする実例を書くことで、より論理が強固になります。
次のようになります。
理由の作成例その2
- 転生もの小説はハリウッド映画の定番シナリオと同じである
- 両方とも「主人公が日常生活から、非日常世界に投げ出される」という導入がある
- SW エピソード1では「労働階級の少年がスカウトされ、ジェダイとなる」
- 転生ものでは、死んでしまった主人公が記憶を持ったまま別世界に転生する
- 両方とも「試練、仲間、宿敵との出会い」がある
- SW では、同じジェダイ仲間や、シス卿と出会う
- 転生ものでは、別世界で仲間や攻略相手と出会う
- 両方とも「最大の危機、勝利」がある
- SW では、シスに負け銀河帝国が作られるが、最後に反乱同盟軍が勝利する
- 転生ものでは、ラスボスに勝利する
- 両方とも「主人公が日常生活から、非日常世界に投げ出される」という導入がある
このように大体の構成を設計したら、これを元に文章を作成していきます。
完成
このまま各パーツを接続詞でつなげても短いエッセイとして OK です。
でも多少付け足したほうがわかりやすいでしょう。
例えばこんな感じでしょうか。
完成例
転生もの小説はハリウッド映画の定番シナリオと同じである。
そう思う理由の一つに、両方とも「主人公が日常生活から、非日常世界に投げ出される」という導入がある。例えば SW エピソード1では「労働階級の少年(アナキン)がジェダイとしてスカウトされ、ジェダイとなるが、転生ものでは、死んでしまった主人公が記憶を持ったまま別世界に転生する。非日常の世界に連れ出される点について同じである。
また両方とも「試練、仲間、宿敵との出会い」がある。SW では、同じジェダイ仲間と出会い、敵対者としてシス卿と出会う。一方、転生ものでは、別世界で生活していくうちに仲間や攻略相手と出会う。
また最後に両方とも「最大の危機、勝利」がある。SW では一度シスに負け銀河帝国が作られるが、最後に反乱同盟軍が勝利する。転生ものでは最後のクライマックスではラスボスを倒し、勝利する。
やってみるとわかりますが、文章に締まりが出てきます。
特に文章を書いてから構成し直すと、無駄な部分がなくなってるのがよくわかります。
慣れるまで、尻切れトンボな文章の印象があるかもしれません。
その場合は最後にもう一度言いたいこと(メッセージ)を書くのがおすすめです。
次からは、実際に書くときの注意点を説明します。
現場では用途により構成を変えましょう
実際のライティングでは、目的により構成を変えます。上記の方法は、IELTS や学校の小論文などで使える、基本的な方法です。
仕事にする場合、用途により構成が変わります。
- 雑誌などの投稿やエッセイ
- セールスライティング
- メール
雑誌などの投稿やエッセイ
基本のピラミッド構造を少しアレンジします。
基本のままだと「あたりがきつすぎる嫌いがあるからです。
※ 「メッセージ → 理由 → 実例 」の要素は残します。
おすすめの構成は「5段落エッセイ」です。
1.つかみ:リード文とも言う
2.ボディ1:言いたいこと、その1
3.ボディ2:言いたいこと、その2
4.ボディ3:言いたいこと、その3
5.まとめ:結論、まとめ文
言いたいこと(メッセージ)を3つ書きます。つかみ(リード文)には、一行だけ結論を入れます。
まとめにもう一度結論を入れる感じです。
- (つかみ)
シドニーはいいところです。6週間仕事で滞在しました。 - (ボディ1)
料理が美味しいです。インド、東南アジア、中華、韓国、台湾、和食、全て揃っています。 - (ボディ2)
観光できるところが多いです。動物園、水族館、美術館(無料!)、オペラハウス、その他、アミューズメントが色々あります。 - (ボディ3)
物価は高いです。多分日本の1.5倍以上あります。ラーメンは1,000円以上します。本も希少で高いです。 - (まとめ)
物価は高いですが、人も親切な人が多く、滞在期間は楽しく過ごすことが出来ました。
メッセージの核は3つのボディになります。
例なので割愛していますが、段落(パラグラフ)ごとに「メッセージ、理由、実例」をあげていき、規定の文字数に収めるようにします。
セールスライティング
セールスの場合、顧客心理の移行にそった書き方になります。
フォーマットとしては、次のものがあります。
- PASONA(パソナ):
Problem(問題)→ Affinity(親近)→ Solution(解決)→ Offer(提案)→ Narrow(相手を絞る)→ Action(行動) - AIDA(アイダ):
Attention(注目)→ Interest(関心)→ Desire(欲求)→ Action(行動) - AIDCA(アイドカ):
Attention(注目)→ Interest(関心)→ Desire(欲求)→ Conviction(確信)→ Action(行動) - AIDMA(アイドマ):
Attention(注目)→ Interest(関心)→ Desire(欲求)→ Memory(記憶)→ Action(行動) - AISAS(アイサス):
Attention(注目)→ Interest(関心)→ Search(検索)→ Action(行動)→ Share(情報共有)
基本的に、最初に目を引く書き出し、興味を持たせて・・・という流れになります。
メール
メールは基本のピラミッド構造で行けます。
- 言いたいこと、頼みたいこと、などのメッセージを書き、
- 理由や質問の背景を追加していく
こうすることで、相手にはアクションを起こすための充分な情報を伝えることができます。
一枚のメールだけで用事が済むようになり、余計なやり取りが減ります。
まとめ:論理的な文章で、コミュニケーションの効率を良くしよう
この記事では、ロジカルライティングの具体的な方法について解説しました。
- 最初に言いたいことを一つ書いて、
- その論拠をサポートする理由・実例を後ろに並べる
ちなみにこれは PREP 法とも呼ばれています。
PREP 法とは、「結論(Point)→理由(Reason)→具体例(Example)→結論(Point)」の順番で話を展開する文章のフレームワークです。
ライティングの基本ですので、たくさん文章を書いてなれていくようにしましょう。
参考図書
勉強したのが昔過ぎて困りましたが、文章術のおすすめをご紹介します。
※ 私が勉強したときは英語の本しかありませんでした。たぶん、これです。
ロジカル文章術
マッキンゼーソウルオフィスをゼロから立ち上げた赤羽雄二さんの著書です。
ロジカルな文章を作るためのポイントや文章構成などを詳しく説明しています。
抑えておくべきポイントをイラストや例文付きで解説してあるので、これ一冊で充分な内容になっています。
新しい文章力の教室
今回の紹介したやり方を基本にして、より実用的な手順が書かれています。
ポップカルチャーサイト「ナタリー」での社内教育(記事の書き方)の内容です。
プロは1日に最低5つ以上の記事を書き、多少体調がわるいときでも必要最低限の品質の文章にしあげる必要があるといいます。
そういったプロの受けた文章教育を学ぶことができ、とても参考になります。
TOEFL iBT(R)テストはじめてゼミ ライティングの教科書
この記事で解説している「ピラミッド構造」の構成を解説しています。
私はこの構成を元に日本語で文章を書いてます。
口頭のプレゼンでも役に立ってます。
今回も最後まで読んでいただいてありがとうございました。