ポイントを押されば、論理的な文章を作ることはそれほど難しくありません。でも練習は必要です。
この記事を読めば、論理的な文章の書き方を理解し書けるようになります。
理解した後は練習あるのみです。
(この記事は以前の「論理的な文章の書き方を考える」をリライトしたものです。)
ポイントは3つだけです
人に理解されやすい構成、話の展開というものはあります。
最初にこれ書いて~・・・次にこれ・・・というやつです。
じゃあ構成ってどうするの?
というと、ポイントはこれです。
- メッセージ(言いたいこと、意見)は一つの文章に一つだけにする(いくつも詰め込まない)
- 最初にメッセージを書く
- その理由を3つ上げ、それぞれの実例を上げて、メッセージを補強する
構造をイメージにすると下のような感じで、メッセージ(言いたいこと)を3つの理由で補強し、それぞれの理由も具体例で補強するイメージです。

ちなみにこれは普通の書き方で、 TOEFL テストのライティングの教科書にも出てきます。
ではひとつひとつ、見ていきましょう。
文の構成というと「起承転結」が頭に浮かんでくると思いますが、「起承転結」はとりあえず忘れましょう。
「起承転結」は中国の4行詩がオリジナルなので、エッセイや説明文の参考にするには違和感があります。
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言いたいことは一つだけにする
作文する前に読者に何を伝えたいのか、一つだけ「メッセージ(言いたいこと)」を決めてください。
一つの記事(文章、作文、エッセイ)に複数の言いたいことを詰め込んではいけません。
複数あるのなら、その分だけ記事を分けます。

例えばこんな感じで、一文にまとめます。
メッセージの例
- 転生もの小説はハリウッド映画の定番シナリオと同じである
言いたいことが2つあると、その文章は2つのトピックについて説明していくことになります。
すると読者はどっちの話をしているのかわからなくなります。
なので複数あるときは、文章を分けるようにします。
最初に結論を書く
上の「メッセージ」はそのまま結論になります。そしてそれは最初に書きます。
突然結論を書くことには抵抗があるかもしれませんが、読者は基本的には最初のほうしか読まないのです。
なので文章の最後にあってはいけないのです。
理由を3つ書いて実例を上げる
理由を書く
結論の次に理由を書きます。
最初の伝えたいことの根拠を伝えることにより、メッセージに重みが出てきます。
例えばこんな感じで「なぜ同じだと思うのか」その理由を3つリストしてみます。
理由の作成例その1
- 転生もの小説はハリウッド映画の定番シナリオと同じである
- 両方とも「主人公が日常生活から、非日常世界に投げ出される」という導入がある
- 両方とも「試練、仲間、宿敵との出会い」がある
- 両方とも「最大の危機、勝利」がある
英語圏だとデフォルトで、ほとんどメッセージの次に理由が来ます。
数が3つなのは大した理由はなかったと思います。2つじゃ足りない、4つ以上だと多すぎる、そういう理由だったと思います。
ただ、どうしても思い浮かばなければ2つでも構いません。
1つではちょっと弱いですね。客観性に?がつくので最低2つです。

実例を書く
最後にそれぞれの理由に客観的な実例(エビデンス)を書きます。理由をサポートする実例を書くことで、より論理が強固になります。
理由の作成例その2
- 転生もの小説はハリウッド映画の定番シナリオと同じである
- 両方とも「主人公が日常生活から、非日常世界に投げ出される」という導入がある
- SW エピソード1では「労働階級の少年がスカウトされ、ジェダイとなる」
- 転生ものでは、死んでしまった主人公が記憶を持ったまま別世界に転生する
- 両方とも「試練、仲間、宿敵との出会い」がある
- SW では、同じジェダイ仲間や、シス卿と出会う
- 転生ものでは、別世界で仲間や攻略相手と出会う
- 両方とも「最大の危機、勝利」がある
- SW では、シスに負け銀河帝国が作られるが、最後に反乱同盟軍が勝利する
- 転生ものでは、ラスボスに勝利する
- 両方とも「主人公が日常生活から、非日常世界に投げ出される」という導入がある
このように大体の構成を設計したら、これを元に文章を作成していくことになります。
完成
このまま各パーツを接続詞でつなげても短いエッセイとして OK です。
でも多少付け足したほうがわかりやすいでしょう。
例えばこんな感じでしょうか。
完成例
転生もの小説はハリウッド映画の定番シナリオと同じである。
そう思う理由の一つに、両方とも「主人公が日常生活から、非日常世界に投げ出される」という導入がある。例えば SW エピソード1では「労働階級の少年(アナキン)がジェダイとしてスカウトされ、ジェダイとなるが、転生ものでは、死んでしまった主人公が記憶を持ったまま別世界に転生する。非日常の世界に連れ出される点について同じである。
また両方とも「試練、仲間、宿敵との出会い」がある。SW では、同じジェダイ仲間と出会い、敵対者としてシス卿と出会う。一方、転生ものでは、別世界で生活していくうちに仲間や攻略相手と出会う。
また最後に両方とも「最大の危機、勝利」がある。SW では一度シスに負け銀河帝国が作られるが、最後に反乱同盟軍が勝利する。転生ものでは最後のクライマックスではラスボスを倒し、勝利する。
やってみるとわかりますが、文章に締まりが出てきます。
特に、ダラダラと文章を書いてから構成し直すと、無駄な部分がなくなってるのがよくわかります。
慣れるまで、尻切れトンボな文章の印象があるかもしれません。その場合は最後にもう一度言いたいこと(メッセージ)をまとめとして書くとよいでしょう。
まとめ:論理的な文章を書くには
まとめると
- 最初に言いたいことを一つ書いて、
- その論拠をサポートする理由・実例を後ろに並べる
ちなみにこれは PREP 法とも呼ばれているようです。(知りませんでした)
PREP 法とは、「結論(Point)→理由(Reason)→具体例(Example)→結論(Point)」の順番で話を展開する文章のフレームワーク
参考図書
勉強したのが昔過ぎて困りましたが、お勧めをご紹介します。

私が勉強したときは英語の本しかなく(たぶん、これ) 参考にならないので、上の本をおすすめします。上記の構成と同じものを解説してます。
私はこの構成を元に日本語で文章を書いてます。
口頭のみのプレゼンでも役に立ってます。

ポップカルチャーサイト「ナタリー」での社内教育(記事の書き方)の内容で、今回の紹介したやり方を基本にして、より実用的な手順が書かれています。
プロは1日に最低5つ以上の記事を書き、多少体調がわるいときでも必要最低限の品質の文章にしあげる必要があるといいます。
そういったプロの受けた文章教育を学び、練習しましょう。とても参考になります。
私は文章を書くと掘り下げすぎる傾向があったのですが、この本を読んで「どこまで掘り下げるべきなのか」読みやすい文章を書く方法について、とても参考になりました。
今回も最後まで読んでいただいてありがとうございました。