断舎離ができない理由は人それぞれです。
心理的なものとしては次のようなものが考えられます。
・思い出の損失のおそれ
・アイデンティティの喪失のおそれ
・所有への執着
これら心理的な理由は自然な感情です。
克服ではなく共存するものと考えます。
ただ自覚することが大切です。
自覚できれば自分でコントロールが可能だからです。
この記事では、次の内容を書きました。
- 断捨離ができない人の性格や理由
- 断捨離を始めるためのマインドセット
- 断捨離をうまくすすめるためのポイント
「断捨離が出来ない理由」を
心理面にかぎらす、
環境面、物理面も含めて紹介しています。
その後に断捨離をどのように進めていけばいいのかを解説しています。
断捨離ができない人の性格・心理・理由
断舎離ができない理由は人によってそれぞれです。
断捨離ができない理由として、性格や心理、環境からみた、次の7つの点から解説していきます。
断捨離を始められない7つの理由:
心理的な理由①:所有することに執着している
心理的な理由②:思い出の品は捨てたくない
心理的な理由③:アイデンティティの問題
環境的な理由④:寒いから
環境的な理由⑤:時間がない
個人的な理由⑥:体力がない
個人的な理由⑦ どこから手を付けたらいいか、わからない
心理的な理由①:所有することに執着している
所有することへの執着心や所有欲が強いと、手放すことが難しくなることがあります。
物を所有していると、自己の価値や満足感を保てると感じるのです。そういう人は以下のように思い、かんがえます。
- なんでも、もったいないと思う
- 「まだ使える」と考えてしまう
- 「必要なときが来るかも」と思ってしまう
このように、「捨てることは道徳的に許せない」と感じてしまいます。
なんでも、もったいないと思う
私たちは、親に「物は大切にしなさい」と言われながら育ちました。
でもなぜそう言われたのでしょう?
それは、子供に物を大切にすることを教えるのは親の努めと考えるから、です。
子供の頃は、すぐに物を投げたり、飽きて新しいものを欲しがったりするのが普通です。
そのたびに「大切にしなさい」と言われたはずです。
そして、そういった子供のころの親の教えが今も残っているのです。
「まだ使える」と考えてしまう
使えるものを捨ててしまうことに罪悪感を覚えてしまいます。
これも、根本的には「物を大切にする」という尊い親の教えがあります。
必要なときが来るかも
「捨ててしまうと後で必要になったときに困る」そう思うこともよくあります。
特に私のように物を制作するのが好きな人間は材料として残しておくと役に立った経験があります。
なので、ついつい残す癖がついています。
実際は、モノ作りをやってる人でなければ、ほとんどそういう機会は来ないものです。
心理的な理由②:思い出の品は捨てたくない
誰でも思い出の品はとっておきたいものです。
特に遺品であればなおさらです。
この心理にも、つぎのような「喪失へのおそれ」の感情がはたらいています。
- 思い出や価値の関連性、損失のおそれ
- 思い出への執着
物や思い出にはそれぞれ意味や価値があり、お互いつながっています。
なので「ひとつを手放すと他の物や思い出も変わってしまう」と感じ、手放せないのです。
また過去の選択や思い出をなくすことになる可能性を想像し、手放した後に後悔することを恐れ、断舎離できない人もいます。
心理的な理由③:アイデンティティの問題
過去のアイテムや思い出がないと、不安を感じる人がいます。
過去の経験やアイテムに執着し、自分のアイデンティティ(自分の存在意味、存在理由)を保とうとします。
そういう人は物や思い出を手放すと、過去の自分や過去の出来事とのつながりがなくなると考えます。
そのために断捨離が進まないことになりがちです。
以上のような心理面の理由は、時間をかけて考え方を柔軟にしていくことで、折り合いをつけられます。
環境的な理由④:寒いから
寒いと片付けが億劫になります。
そういう人は結構いるようで、ミニマリストの本を読んでいると、冬にはやる気が出ないと書いている人もいます。
私の勝手なイメージですが、南国と北国では以下のような印象があります。
- 南国の部屋は物が少なく、スッキリしている
- 北国の部屋は物が多く、暖かい
片付けはあまり体を動かさないので、寒いとやる気は出ませんね。
環境的な理由⑤:時間がない
物が多くなるほど断捨離は時間がかかります。
仕事が忙しいと片付けに時間をかけるのももったいないと考えがちになります。
時間についても、やり方を工夫することで解決します。
個人的な理由⑥:体力がない
物をすてたり整理する作業は思ったより体力が必要です。
また年をとったり、怪我がなかなか治らず体の一部が動かせない人は作業を始めにくいです。
なので一人暮らしの老人の部屋は、荷物が多くなりがちになるのが普通です。
個人的な理由⑦:どこから手を付けたらいいか、わからない
どこから始めたらいいかわからない、と考えているうちに先延ばししてしまう。
こういうことは誰でもあるでしょう。
特に仕事が忙しいときは考えるのも大変で、結局後回しになってしまうことはよくあります。
やる気はあるけど、どこから始めたらいいかわからない。
これはやり方を工夫することで、スンナリ始めることができたります。
以上のような環境面、物理面の理由は、やり方を工夫することで、断捨離を始めることができます。
断捨離を始める前に知っておきたい《5つのマインド》
断捨離を始める前に、考え方を整理しましょう。
断捨離ができない要因をそのままにしては、うまくいきません。
まずマインドを見直しましょう。以下にポイントを上げてみました。
- マインドその1:いつか物を減らす必要がある
- マインドその2:時間は臨機応変にすべし
- マインドその3:パーフェクトを目指さない
- マインドその4:無理をしない
- マインドその5:季節と体調管理について
マインドその1:いつか物を減らす必要がある
いつか物を減らさないといけない時がかならず来ます。
たとえば、次のようなときです。
- 引っ越しのとき
- 地震や津波で家屋が破壊されたとき
- 家族が亡くなって遺品整理が必要なとき
引っ越しのときは、要らないものがたくさん出てきます。
地震などの自然災害にあったときは強制的に破壊されます。
家族がなくなったときは、その遺品を整理する必要があります。
いつかやる必要がある時が来るということを知っておけば、重い腰も上がるようになります。
マインドその2:時間は臨機応変にすべし
一気に断捨離するにはまとまった時間が必要ですが、少しずつ減らすならスキマ時間で可能です。
断捨離の方法を工夫することで、断捨離をする時間は調節できます。
たとえば・・・
- 一気に断舎離するときは、仕事を休む
- 断捨離の範囲を小さくして、1時間くらいで済ませる
- 普段から「捨てるもの探し」をして、スキマ時間に断捨離をすすめる
「これだと、断捨離がおわらないのでは?」と思うかもしれません。
いやいや、断捨離はそうかんたんに終わらないし、終わりはないです。
ものが減っても生活をすれば、また増えます。
それに現実として、断捨離は時間がかかるものだと思ったほうが良いでしょう。
断捨離の現実:
- 亡くなった親の家を片付けるのに、1週間以上かかるのが普通です
- 持ち物が多ければ、それだけ時間がかかります
- 捨てる方針は進めながら決まっていくので、また時間がかかります
- 掃除をするとなると、また時間がかかります
なので仕事を持っている人が断捨離すると、かなり時間がかかります。
何を捨てて何を保存するか、やりながら方針が固まっていくものです。
無理にすすめると後悔することも増えてくるので、ゆっくりすすめる方が良い結果になります。
具体的な方法については後述しますが、
- 普段は細かく時間を区切って断捨離して、
- タイムリミットがあるときは時間を取って、一気に断捨離をする
と、時間を工夫すると断捨離ができます。
マインドその3:パーフェクトを目指さない
お手本となるミニマリストのやりかたを、完全に真似することはほぼ無理です。
最適な生活スタイルは、人それぞれだからです。
一人暮らしのスタイルを家族持ちが真似することはできないし、完全冷暖房のマンションの暮らしを田舎の一軒家で真似するのも無理です。
生活スタイルや、住んでる環境が似たミニマリストの方が見つかったらいいですが、それでも完全に真似することはおすすめしません。
マインドその4:無理をしない
持ち物の数を減らそうと、無理やり断捨離するのはよくありません。
あとで後悔する要因になりやすいです。
何をすてて何を残すかも、人それぞれです。
最初から完全に捨てるものが決まっている人はほどんどいません。
私も先達のミニマリストのブログなど情報を検索して、大体の方針を決めてからやります。
でもいざやるとなると、たとえばジャケットの断捨離の場合、
① 去年、使わなかったジャケットは断舎離する
▼
② でも使ったジャケットも結構ある
▼
③ その中から、どのように断舎離するか、悩む
の繰り返しです。
この時点で、もし目標として「ジャケットは春夏用1着、秋冬用1着」として、無理に目標を達成しようとすると後から仕事に必要だとわかったり、後悔することもあります。
迷ったら、とりあえずキープしておいて、時間をおいてまた捨てるかどうかを決めると良いです。
それが後悔するパターンを減らすコツです。
マインドその5:季節と体調管理について
体が動かないと本当になにもできません。
身近に老人や体の不自由な方がいる人は分かると思います。
日常生活にも支障があるくらいになると、断捨離は無理です
そういうときも無理せずに、人に頼るのも大事です。
また、冬は断捨離をしないと決めてしまうのも手です。
冬は寒くてやる気が出ない、という人は結構います。
そんなときは無理せず、掃除や整理整頓など負担にならないことをやっていきましょう。
無理なく断捨離を進められる《6つのポイント》
断捨離をすすめる上で、具体的なポイントまとめました。
断捨離が始められない理由を理解し、前提となるマインドセットを知れば、無理なく断捨離に取りかかれます。
ポイント1:SNS・ブログで発信する
ポイント2:常に捨てるものを探す
ポイント3:ターゲットを小さく分ける
ポイント4:目立つ所から始める
ポイント5:気持ちいい経験をする
ポイント6:捨てる前の猶予期間を設ける
ポイント1:SNS・ブログで発信する
断捨離をやっていることを発信していると、モチベが上がります。
ネタが出来るので、そのために頑張ろうという気になりますね。
SNSでもブログでも、YouTube などの動画配信でもいいです。
自然と断捨離も進みます。
ポイント2:常に捨てるものを探す
スキマ時間ができたら、捨てるものを探します。
見つけたらゴミ箱に捨てます。
片付けようとするよりも、捨てるものを見つけるほうが、結果的に片づくようになりました。
これはおすすめです。時間を有効に活用できます。
ポイント3:ターゲットを小さく分ける
断舎離する範囲を小分けにして、1時間くらいでできる単位にします。
断捨離をするとき、ターゲットとして
- 服を減らす
- 紙類を無くす
などと決めると思いますが、これだと正直大雑把すぎます。もっと具体化します。
- 場所:部屋の一角、机の上の一部分とか
- 種類:ジャケット、アンダー、紙類など
これくらいにすると、1~2時間でできる単位です。
このようにすると、ひとつひとつタスクを完遂でき、達成感が積み重なっていきます。
これもモチベーションが上がっていきます。
ポイント4:目立つ所から始める
ターゲットを小分けにしたら、目につくものから片付けていきましょう。
小さいものを片づけても、達成感も爽快感を味わうことができません。
せっかく片付けても「片づいた感がない」ので、モチベーションが下がります。
かたづいたらスッキリするはず、と思えるところから始めます。
ポイント5:気持ちいい経験をする
片付けたところから気持ちよさを感じるように断捨離を進めていきましょう。
そのためには、前述したように
- 達成できる作業量に小分けする
- 目につくところから断舎離していく
というようにすすめることが大切です。
目につくところから片づいていき、その範囲が広がっていくと、部屋が広く感じます。
部屋が広くなると、気持ちよく感じます。
この経験を繰り返しているとモチベーションが上がり、また断捨離をしようかという気になります。
ポイント6:捨てる前の猶予期間を設ける
無理をしないようにと既に書いていますが、捨てるべきか判断に迷うときは、捨てずに猶予期間を設けます。
時間が経てば、だんだん腹も決まっていきます。
時間が解決することも多いので、猶予期間を設けることは良い考えです。
まとめ
この記事では、次の内容を書きました。
- 断捨離ができない人の性格や理由
- 断捨離を始めるためのマインドセット
- 断捨離をうまくすすめるためのポイント
性格や心理的な原因として、掘り下げていくと次の2つに突き当たります。
- 親による価値観の植え付け
- 失うことへの恐怖(思い出の品、アイデンティティなど)
心理面以外では、環境面や個人的な理由も考えられます。
これらの要因を理解し、マインドセットを持って進めていけば、本当に大切なものがわかり、シンプルな生活を遅れるようになります。