先日、ミカエルのストライクの解説動画が出ました。
どちらかというと古い動画ですが、システマのストライクについて理解するには最適なものです。
この記事では、英語で解説されてますが、聞き取れているところをまとめました。
この記事の内容
- システマのストライクについて、創始者ミカエル自身の解説がわかります。
- ストライクの打ち方の練習方法と、受け方の練習方法がわかります。
- ストライクの解説参考書のリストがあります。
ストライクとは
ストライク (Strikes) は打撃という意味で、世界のマーシャル・アーツでは一般的な言葉です。システマ以外でも使われます。
シンプルに打撃という意味なので、お尻のストライクもあれば、頭突き、肩アタックもストライクです。システマでは「リラックスした状態で打つ」という要領はすべて同じです。
※ストライクについての書籍やDVD は、この記事の最後にリストしました。
ミカエルのストライク解説
最近ミカエルのダイジェスト版の動画がでたので、聞き取れているところをまとめてみました。
リャブコ・システマのストライクのやり方は、マスターが解説動画を出してますし、書籍もあります。
日本語になってないところはおいおい修正していきますが、できれば動画を見て英語で直で聴くことをおすすめします。
Part 1. プッシュ&パンチの解説
動画の内容
- プッシュの精度を上げて、フォースの使い方を学ぶ方法を推奨してます。
- すべてはプッシュから始まることを説明しています。
- ミカエルが相手のどの部分をプッシュしているか、わかります。
- ストライクの精神面の影響についての解説があります。
- ストライクにはいろいろな効果があり、撃ち方によって相手に与える影響が違うことが実演されてます。
プッシュの解説
最初はプッシュの仕方を解説しています。
プッシュはすべての始まりであり、そのままストライク、アンコンタクト・ワークまでカバーする、とても重要な技術です。
00:00 の場面
- 速いストライクではなく、プッシュでフォースを学ぶ必要があります。
- 十分な圧力でプッシュすれば、逃げることは不可能と感じます。
- 肩はリラックスして、きちんとプッシュします
- 人間の身体のまさにその部分をしっかりとプッシュします。
- 正確に圧力をかけ、身体のその奥底まで届くようにします。
- 姿勢、安定、バランスに注意をはらいます。
- 正しいポイントに正しい圧力を適用すれば、全てはうまくいき、良い結果になります。
- 彼をたたく必要はありません。プッシュだけて相手をコントロール出来ます。
- 相手は耐えようとしても耐えられません。
11:15 からの場面
- 最初に拳の正しい置き方を見つける必要があります。
- 人により、使えるスポットは違います。
- 落ち着いて、パートナーの許容量より強くしてはいけません。
- 正しいスポットを見つけたら、押します。腕が伸びたり、計算したプッシュをしてはいけません。
- フォームを崩さず、パートナーの方に進んでください。足を使って。
サイキについて
ストライクをしたり受けたりするときの精神面について、解説しています。
13:14からの場面
- ストライクを学びはじめる前に、サイキを動きの中に開放する必要があります。
- 怒りや苛立ちを相手に対して持ってはいけません。
- 相手をリスペクトしなければいけません。相手も人間だからです。
- そうでなければすぐ、負けてしまうでしょう。
- 常に動きの中に維持しなければなりません。
- どんな人にもいい部分はあります。そのいい部分をリリースしなければなりません。
ストライクのバリエーション
14:55 付近からは、いろいろなストライクを解説しています。落ち着かせるストライク、パワーを与えるストライク、またリラックスさせるストライクとやっています。
14:55 からの場面
- ストライクは犯罪者の神経系を苛立たせます。
- 相手を過度に傷つけてはいけません
- 誰かをリラックスさせるための正確なストライクを学ぶことはむつかしいです。
- このストライクは相手を苛立たせません。
- ストライクは別の機能もあります。 (17:53)
- あなたにパワーを与えたでしょ? (18:45)
- 再度リラックスしました
Part 2. ストライクの受け方、アンコンタクト・ワークの解説
この動画は1)ストライクの受け方、2)アンコンタクト・ワークを実演・解説してます。
この動画の内容
- ストライクの受け方、実際のワークの様子が解説つきでみることができます。
- プッシュについて習熟していくと、アンコンタクト・ワークになっていくことを解説しています
ストライクの受け方
最初にストライクの受け方についての解説になってます。
ストライクを受ける様子はかなり凄まじいもので、スペツナズの訓練の一端を感じさせます。
呼吸や体内操作について
- 胃から息を吐くのではなく、身体の上の部分から息を吐きます。
- コンディションを整えるためにすぐにブリージングを開始します。
- 胸の上部から息を吐いてください。
- 何が起こってもとにかく息を吐いてください。
- パンチが内部に取り込まないように。ひたすら外にパンチを出します。
- もっと深く呼吸してください。そうすると外に出ます。
- 受けるとき、鼻から吸って、口から息を吐いてください。
- もっと吐く息を短くします。 (10:39)
- 呼吸!呼吸!
- 座らない!座らない! (6:00)
- 今疑ってしまったため内部に入ってしまいました。
- ストライクが入ってしまったと思ったら、もっと深く入ってしまいます。
身体的なインパクトと同様に、精神的なインパクトも取り込まない、と言っているようです。
姿勢について
- 背筋をまっすぐに。曲がっています。
- もっとリラックスします (4:42)
姿勢は、とにかくまっすぐ、と言ってました。
※姿勢を矯正するにはスクワットが最適です。スクワットについては次の記事で解説していますので、よろしければ参照してください。
》システマのスクワットについて
パンチについて (ストライクしながらの説明)
- 体全体でパンチするのではなく腕だけです。腕を投げつけるように。 (1:51)
- 表面のパンチと呼ばれる骨にひびくパンチがあります。それを少し深くすると、しばらく体内に残るパンチになります。
受け方が上手いと褒めている箇所もあります。
5:32 や 12:33 では絶賛してます。
お手本になりますね。
アンコンタクト・ワークへの発展
14:14 あたりから、アンコンタクトワークになります。
アンコンタクト・ワークの解説
- はじめる前にリラックスして静かな状態になる必要があります。
- (相手のコメント)彼は僕のバランスをつかんでいる。
- 正しく身体を保持する方法、正しいポジションをみつけ方を学ぶと、それほど必要なく正しいフォースの人の身体に適用する方法がすぐわかるでしょう。
- フォースに満ちたプッシュは苦もなく相手を操作できます。
- もう一度いいます。最初に自身の身体を正しく保持する方法を学びます。
プッシュで全てが始まる、という言葉どおり、プッシュの発展としてアンコンタクトワークを解説してます。
Part 3. レッグワーク(キック・ストライク)の解説
脚のワークの解説です。脚によるプッシュで練習します。
この動画の内容
- 脚のストライクもプッシュの練習をすることがわかります。
- 腕と同様に、キックバックが体内に入らないことが大切であることが解説されてます。
- 後ろに下がったりするのは戦闘ではないと言ってます。
この動画はレッグワークのみになります。
レッグワークの解説
- とても重要なことです。キックバックが体内に入らないようにしてください。
- これはレッグワークでも同じです。
- 足の使い方を学ぶためにプッシュからはじめます。
- お尻はまっすぐに
- フォースが身体からエスケープしなければなりません。
- バランスをキープしてください
- プッシュはシャープ、ストレートに。
- 足を当てて、プッシュします。
- プッシュが正しくできれば、結果的にストライクも正しく出来ます。
- ダンスしないように
練習生がストライクを実現するためには
ミカエルはいともかんたんにやってますが、我々はそうもいかず。
なので苦労して、なんとか習得しようとしています。
このセクションの内容
- システマのストライクは水中に浮かんでても、寝てても打てる
- リラックスしてないとプッシュもままならない
- キックバックが侵入しないようにするには、筋肉をリラックスさせること
ストライクについては、他にも Youtube で解説動画がたくさんありますので、参考にしてみてください。
▶ 参考動画:Systema Russian Martial Art Lesson on Strikes. Ryabko
ストライクは寝てても浮いてても打てる
システマのストライクは地面や脚の力を伝えるスタイルではなく、ただ腕の質量がスピードを持って相手に当たるだけです。ダンプや車がぶつかってくるイメージです。
普通は身体の中のテンションが、その勢いを邪魔しているので、ストライクもプッシュも弱く伝わります。
その邪魔してるテンションを排除していくのが、システマの練習になります。
リラックスしてないとプッシュも楽に出来ない
テンションが取れた状態がリラックスした状態です。リラックスしていると、内部が一定の密度で満たされた状態になります。
その状態を維持したままワークをすることで、プッシュも楽になります。
特に肩と背中で、肩や首が凝っていたら、普段からリラックスしてないことになります。
そのために、いろいろなワークをやります。
▶ 関連記事:【システマ】体幹や背骨をリラックスするためにやってること
キックバックが体内に入らないようにするには、柔らかい筋肉が必要
ミカエルも言ってるように、インパクトが体内に入ると衝撃が蓄積され、健康によくない影響があります。拳や脚から体内にキックバックが侵入してこないように操作することが大切です。
やってればできるようになるのですが、筋肉が硬いといつまでたっても出来ません。
そのためにシャシュカ立ちや色々なワークがありますが、インストラクターにおすすめされたのは壁に向かって立ってスクワットです。
背骨が柔軟になってきます。
※スクワットについては別記事で紹介していますので、参照してください。
》システマのスクワットについて
※システマで使うマッサージグッズについては、次の記事を参照してください。
▶ 関連記事:【システマ】大人買いしたマッサージグッズとストレスを内部に入れないこと
日本語版 DVD に収録されている
この記事で紹介した動画は DVD 日本語版に収録されています。
DVD にはヴラッドパートとミカエルパートに別れていて、両方の解説を楽しめます。一部は Youtube で公開されています。
アマゾンにもあるんですが、すごい値段になっています。今手に入れるとしたら英語版をトロント本部からになります。
参考書籍
システマのストライクについては、本やDVD が出版されていますので、参考にしてください。
ミカエルの動画
これまでミカエルの動画記事を作っています。動画を集めただけですが、参考になると思いますので見てみてください。
またシステマのまとめ記事も作成しているので、参照してください。