論理思考を学びたいひとはまず、基本であるロジックツリーの使いかたを学びましょう。
ロジックツリーを使うと、問題の原因を見つけたり、災害時の起こり得る事故を予測出来るようになります。
ここでは基本的な使いかたをご紹介します。
ロジックツリーとは
一般的に米国のコンサルティングファームのマッキンゼー・アンド・カンパニーが考え出したと言われています。
下のように問題を一文化し、その原因を右に書いていくことで、表面化されてない真の原因を見つけようとするものです。
ロジックツリーを使って、以下のようなことができます。
マインドマップとは違う
思いつきでどんどん書いていくとそれはマインドマップになっちゃいます。
例えば、このチャートです。
これは要素分解しただけなので、通常はロジックツリーとは言いません。(What タイプのロジカルツリーという人もいます。)
右側トピックと左側トピックが結果・原因の関係にあるのがロジックツリーです。
またロジックツリーは水平思考だけではなく、深堀りをしていく垂直思考と水平思考の両方を網羅するものです。
ロジックツリーのタイプ
ロジックツリーにはタイプがあって、目的によって使い分けます。
WHY ツリー
原因究明のためのロジックツリーです。
一番左が「問題定義」で問題を一文化したもの、その右には考えられる原因・理由がが並びます。
その原因にも、そうなった原因がありますので、その右側にはまた原因・理由が並びます。
なので、左から右に行けば行くほど原因・理由が書かれています。
SO-WHAT ツリー
結果予測のためのロジックツリーです。
上の WHY ツリーとは逆で、行動・事象・原因が左側で、結果がその右側に並びます。
例では左に行動を書いて右に結果を書いてますが、逆に右に行動を書いて左に結果を書いていく人もいます。
また仮説の検証にも使います。
実際の使いかた
MECE という考え方
ロジックツリーを語るとき、必ず聴かれるのが MECE (ミーシー)という言葉です。意味は
ME : Mutually Exclusive (相互に重複せず)
CE : Collectively Exhausive (全体として漏れがない)
で、ロジックツリーでは同じレベルに於いて「漏れなく、ダブりなく」する必要があります。
例えば上の WHY ツリーで「ダイエットしても体重が落ちない」原因として3つの理由「食事方法が悪い」「運動不足」「ダイエット方法が悪い」を上げてますが、もし「バナナダイエット」がこの3つに並んでいたら、それは重複している(ダブっている)ことになります。
「ダイエット方法がわるい」と「バナナダイエット」は両方とも方法だからです。
その場合はより大項目の方の「ダイエット方法がわるい」の下に「バナナダイエット」を配置するようにします。
漏れがないというのは、考えられる理由をすべて書く、ということです。
ただ全てというのはほぼ不可能なので、考えられるすべてを書く、ということになります。
ゼロベース思考 (追加:2021/1/8)
もう一つ重要なのはゼロベース思考です。
ゼロベース思考とは平たくいえば、今かんがえていることが思い込みであるかどうかを気にすることです。
そもそもとか、
そんなわけないとか、
そういった思い込みがあると思考にバイアスが掛かってしまい、見落としが発生してしまいます。
ゼロベース思考とは、思い込みを無くし、すべての可能性をリストアップするフラットな状態での思考を指します。
原因究明用の WHY ツリー
まず最初に原因究明したい問題を一文で書きます(問題定義)。
そこから右に線を引き、そうなった理由・原因を思いつく限り書きます。
大体出揃ったら、その原因の原因を右に、また思いつく限り書いていきます。なのでどんどん右側が広がっていきます。
Why (なぜ?)を繰り返しながら、だいたい3回くらい深堀りをすれば十分だと思います。
もともと何回繰り返すというルールはないのですが、あまり深堀りしすぎても重箱のスミになってしまうので、あまり効果はありません。
それよりもカバレージ(全て書く)を気にして、他に原因・理由が考えられないかに注力したほうが良い結果が生まれます。
また「この人が悪い」とか「性格が悪い」とかそういう個人に集中する理由は書きません。書いても対策のしようがないからです。目的は改善できることを探すことです。
右側が左側の理由になっている必要がある、というと「正しい理由」でなければならない、と思いがちです。
でなはく、「思いつく限りの理由の可能性があるもの」を上げていきます。
とにかく思いつく限り、書いていきましょう。検証は後でかまいません。
正しい理由を導くためにアンケートを取った人たちもいましたが、なんでもアンケートに頼るのはやりすぎだと思います。
結果予測用の SO-WHAT ツリー
WHY ツリーと同様、行動(もしくは策、事象)をまず一文化して書きます。線を引いて、発生すると予測される結果を思いつく限り書いていきます。
シナリオを書いていく感じになりますが、予測される結果を考えられるだけ書く、というところがツリーの特徴です。
これにより、「想定外」をなるべくなくすことが重要です。
いろいろな可能性を考え、クモの巣のように複数の可能性をリストしたチャートにするようにします。
例えば「地震が発生したら、なにがどうなるだろう」という結果予測をしたい場合、起こり得る災害・被害は複数あるはずです。これが不足していれば「想定外」という事になってしまいます。
情報収集も重要
論理思考が出来るようになってくると、うれしくて他の人の話をきかなくなる人がいます。
ですが実際のところ、正しい情報をたくさん持っている人ほど役に立つロジックツリーが作れます。
その分野をしらない人が作っても、的はずれな原因が並ぶ事になってしまい、そのロジックツリーはあまり用をなさなくなってしまいます。
そのため情報収集も欠かせないですし、勉強することも重要な点です。
ロジックツリーは基本的に深堀りしていくので、狭窄思考になりがちなので注意が必要です。
まとめ:ロジックツリーについて
今日の一冊
問題解決プロフェッショナル
私はこれで、ロジックツリーやゼロベース思考など、基本的な論理思考を学びました。もう20年くらい前になります。
10年くらい前に新版が出たようです。人によりけりだと思いますが、比較的わかりやすいと思います。
文字だらけですが、オススメの一冊です。
新版 問題解決プロフェッショナル
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マンガでわかる!マッキンゼー式ロジカルシンキング
ベストセラーだそうです。確かにわかりやすいです。
ロジックツリーなどは出てきませんが、やってることは同じです。A4 の紙にアウトプットしていく方法で、とても使いやすい方法だと思います。
私も一時期真似していたことがあります。でも紙を持ち歩くのが結構大変で・・・PC になってしまいました。
マンガと解説とで、とてもわかり易いです。論理思考を始めたい方は、まずこれで練習するのもいいと思います。
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最後まで読んでいただいて、ありがとうございます。
ではまた~