KT法とは、アメリカの大手企業で採用されている実用的で論理的なビジネスプロセスです。
この方法を学ぶことで、実生活においてもスピーディーな問題解決や意思決定ができるようになります。
この記事の内容
- KT法の概要
- 4つの思考プロセス (SA, PA, DA, PPA&POA ) について
ふつうの論理的思考(クリティカルシンキング、ロジカルシンキング)については、こちらにまとめています。
KT法とは
KT法とは
- KT法の概要と強み
- 4つの思考プロセスについて
KT(ケプナー・アンド・トリゴー)法とは、アメリカで考案された問題分析・意思決定・リスク分析などを含んだ総合的な論理的思考の手法です。
NASA など機関、大手企業に採用されています。
日本で知っている人は殆どいないと思います。解説もほとんど見当たらないですね。私も日本ではなく、シドニーで習いました。
強力なツールなのに、あまりしられていないのはとても残念です。
以下、Wikipedia での説明です。
1950年代、米国のシンクタンクRAND社に勤務していたケプナーとトリゴーは、空軍における意思決定プロセスを分析する過程で、優秀な士官は等級に関係なく行動を取る前に必要な情報を集め、整理、分析していることに気づいた。二人はこれらの研究成果に基づき、ビジネスへの適用を前提に思考プロセスの分析を進め1958年にKT社を設立した。複雑で再発する問題に対する効果的な意思決定とそうでない事例を数多く観察し、合理的な思考法(KT法)を考案し、The Rational Manager(McGraw Hill, 1965)にまとめた。
Wikipedia 「ケプナー・トリゴー」より引用
引用にある著書は以下です。英語です。
和訳されたものもあります。
書籍は多分、これだけになります。
日本で KT法を知る方法はほぼ大企業内の研修にかぎられており、普通の人は存在さえ知りません。
これはとてももったいないことだと思います。
● 参考記事:論理的思考(ロジカルシンキング)や発想力が身につくおすすめ本12冊
KT法の強み
KT法の強みはなんと言っても、その総合性にあります。
通常の論理的思考の手法というのは、そのほとんどは極端に言えば理想論、基礎的な方法論です。
実生活やビジネスにどう活用するのはその人次第、という部分があります。
学習したあとに、一人ひとりが実状と照らし合わせて工夫して応用する必要があります。
ですが KT法はもともと実用的で、すぐにつかえるようになります。
以下のことがすぐにできるようになります。
KT法でできることの例
- 問題を正確に把握し、解決までの計画を立案する
- 目標を実現するための方法の発見・分析と実働
- 今後発生すると予測される事象についての対策
- 将来ビジネスチャンスが来た場合のアクションの立案
- 本当に必要な人員の配置
- 説明責任を果たすための論理的な報告
- 大量の課題・問題をスピーディーに処理
仕事をしていれば発生する、あらゆる局面にすぐに対応できるようになります。
4つの思考プロセス
KT法には4つのプロセスがあります。それぞれは独立しているので、1つ学べばすぐ使えます。
とくに順番に、全部やる必要もなく、習ったものから使えます。
下の表は Wikipedia にあったものを少し改変したものです。
プロセス | 目的 | 説明 |
---|---|---|
状況把握 (SA: Situation Appraisal ) | 現状把握と課題抽出 | 現状を正確に把握して、課題を定義する。たくさんの課題を正確にさばいていく方法。 |
問題分析 (PA: Problem Analysis ) | 問題の明確化と原因究明 | 問題を正確に把握し、原因究明する方法。もしくは目標達成のための分析にも使える。 |
決定分析 (DA: Decision Analysis ) | 目標設定と最適案決定 | 目標を設定し、実現方法としての選択肢がある中で、なにが一番なのかを分析・判断する。 |
潜在的問題分析 (PPA: Potential Problem Analysis ) | リスク想定と対策計画 | 近い未来に発生するであろう問題に対し、目標とアクションを明確にして、その対策をたてる |
研修コースで全て習ったら、あとは最初に「状況把握 (SA)」で、その案件をどの手法でやっていくかを判断して、
それぞれの責任者におまかせする、もしくは自分でやる、
という流れになります。
各プロセスの詳細を見ていきます。
① 問題分析 (PA, Problem Analysis)
KT法を習うときに最初にやるのが、この問題分析 (PA, Problem Analysis) になります。
基本的には
発生した不具合の原因を見つけ、修正する
という流れになります。
本来あるべき姿に戻すことが目的なので、例えば
WordPress でブログの設定をしているけど、思ったとおりに行かない
というケースにも使えます。
その他に、習い事をしているとき、これからどうやって上達していけばいいのか、などの将来計画を建てるときにも使えます。
② 決定分析 (DA, Decision Analysis)
※ 作成中
③ 潜在的問題分析 (PPA, Possible Problem Analysis)
※ 作成中
④ 状況把握 (SA, Situational Appraisal)
翻訳としては通常「状況把握」などとなっていますが、意味的には「状況鑑定、評価」に近いものがあります。
※ 作成中