トロントのシステマ本部のジムには、
懸垂バーが壁に備え付けてあって、誰でも自由に懸垂ができるそうです。
ですがシステマの情報のなかで、
懸垂(チンニング)に関する情報はほぼないに等しいです。
最近は私も
懸垂(チンニング)することが増えたので、
システマ的に懸垂をする方法について、自分なりにまとめてみました。
懸垂(チンニング)の効果
システマインストラクターの北川さんも記事に書いていますが、ストライクが上達します。
- 拳が重くなる
- 威力の通りが良くなる
- 背中のこりがほぐれる
- 肩の可動域が広がる
もちろん体全体の形が良くなり、血流もよくなり、体調が良くなります。
懸垂(チンニング)のやり方
ジャンプして届くくらいの水平棒から
ぶら下がって身体を引き上げていく
ふつうの懸垂(チンニング)について紹介します。
システマ的な懸垂(チンニング)
システマ的な懸垂(チンニング)のやり方は、次のとおりです。
- グリップは肩幅か、少し広めで順手にします
- 水平棒を下に押し下げるイメージで身体を引き上げます
- 体幹の力を抜きながら、垂直に上下します
基本的に、
- 背中を丸めると体の前面に聞く、
- 背中を真っ直ぐにすると背中に効く、
ということがいわれていますが、
余計なテンションが入らないように
姿勢をできるだけまっすぐ保った状態で、身体を上下させます。
水平棒を押し下げる
システマ東京のシステマインストラクター北川さんは、以下のように書いてます。
ヴラッドが言うには、
「システマのトレーニングとしては、体を引き上げるのではなく、棒を押し下げる結果として体が上がる。
体幹部に力が入りやすいため、背中、腰を緩めて行う。」
やってることは筋トレでも、
リラックスして動くのがシステマの基本なので、
グリップを握りしめず、
適度なテンションでぶら下がって
まっすぐに上下させます
これはシステマで筋トレするときの共通の注意点ですが、
力を中に留めず、
外に流れていくようにする
このようにして、
適度なテンションでシステマ用の身体づくりをしていきます。
懸垂(チンニング)スタンドなどの道具
近くの公園に鉄棒や雲梯があれば、懸垂をすることができます。
「懸垂ができる公園リスト」というウェブサイトで、近くの公園を探すことができます。
ですが、
自宅で懸垂ができると、
もっと効率的に上達することができます。
懸垂(チンニング)スタンド
部屋に置くスペースがある人には、
懸垂用のスタンドを購入することが
一番オススメです。
懸垂バーという
「家の柱や梁柱に取り付けるタイプ」もありますが、
家に想定外の負荷をかけるのも良くないし、
トレーニングでは思わぬ方向に力が集中します。
なので私はスタンドをおすすめします。
ぶら下がることができればいいので、
コスパを考えれば、シンプルな構造のものがベストです。
ただ、幅が狭いのはおすすめしません。
おすすめは次の3つです。
激しくトレーニングする人には、次のチンニングスタンドがおすすめです。
色のバリエーションが欲しい人には、次のチンニングスタンドがおすすめです。
補助用のゴムチューブも一緒に購入したい人には、次のチンニングスタンドがおすすめです。
パワーグリップ・リストラップ
背中や腕より先に
握力がなくなって懸垂ができない
なんてことがあります。
本当は、握力も懸垂の目的です。
ですがもっとやりたいときなどは、
パワーグリップやリストラップで握力を補助します。
するとトレーニングを続けることができます。
プロ用のしっかりしたパワーグリップが欲しい人には、次のパワーグリップがおすすめです。
私はリストラップが好きなので、ときどき使っています。
懸垂 アシスト チューブ
片手懸垂にチャレンジするときや、
まったく懸垂ができない人は、
ゴムチューブでアシストしながら回数をこなしていきます。
海外の動画を見ると、使っている人がかなりいて、主流のようです。
シンプルなチューブの方が良い、という人には、次のようなレジスタンスバンドもあります。
椅子
家にある椅子を補助に使う方法もあります。
私も椅子をよく使います。
使うときは座面高が60センチくらいの高さがあると使いやすいです。
私が使っているのは、次の椅子です。
懸垂(チンニング)できない人向けの負荷を調節する方法
女性ならなおさらだと思いますが、
懸垂(チンニング)ができない!
という人は、
軽めの懸垂から少しずつ負荷を上げていくのがおすすめです。
また片手懸垂にチャレンジする場合でも、
同じ方法で負荷を調節していくため、
中級者にも必要な知識です。
トレーニングには負荷の調整が大事
実際、懸垂は
できるかできないかになりやすく、
トレーニングがしづらい面があります。
上手く負荷を減らして、
少しずつ負荷を増やしていく方法がわかれば、
ウェイトトレーニングよりも効率的にトレーニングでき、
そのうちフルレンジで懸垂ができるようになります。
そのために
バリエーションを知っておくと、トレーニングの幅が広がります。
負荷を調節するための、いくつかのバリエーションを紹介します。
① 垂直懸垂(バーティカル・プル)
家の柱を両手に挟んで、柱のすぐ隣に立ちます。
そのまま後ろに倒れ込みます。
そして腕で引き上げて、元の状態に戻ります。
筋トレが目的なら、ほとんどの人はやりません。
ですがシステマをやってる人は
壁プッシュアップで似たようなことをやっているので、あまり気にならないですよね。
② 斜め懸垂(ホリゾンタル・プル)
オーストラリアン・プル、ロシアン・プル、などいろいろ呼ばれています。
低い水平棒の下に潜って仰向けになり、
鉄棒を掴んでカラダを引き上げます。
家の中であれば、
机の下に潜り込んでデスクの縁を掴み、カラダを引き上げてトレーニングできます。
③ ゴムチューブや椅子を使った補助つき懸垂
高い水平棒にぶら下がっての懸垂(チンニング)を、補助付きでやります。
体を持ち上げるときの補助に、
ゴムバンドを使ったり、
タオルを使ったり、
椅子を使ったりします。
まったく懸垂(チンニング)ができないけど、斜め懸垂はもういいや、
という人は、この方法がおすすめです。
今の自分より上のレベルの懸垂をトレーニングするときは、必須の方法です。
私は持ち上げるときに椅子に片足を乗せて、補助してます。
④ ネガティブ・トレーニング
ネガティブトレーニングも、筋力を増やすのに最適な方法です。
椅子を使ってトップポジションまで上がり、
椅子から足を離して、ゆっくり10秒くらいかけて降りていく
これを繰り返します。
この方法でやっていると、筋力がついてきます。
(エキセントリック・トレーニングといいます)
何度やってもなかなか回数が増えない、
という人には、姿勢を見直すことと、このネガティブプルアップが効果的です。
⑤ ハーフレンジ・トレーニング
懸垂(チンニングで)、
トップポジションまで上がらない
という人には、途中までのハーフレンジで懸垂を行う方法が有効です。
トップポジションから半分まで降りたあと、またトップポジションに上がる
ハーフレンジを集中して懸垂をすることで、
トップポジションまで上がれるようになります。
筋力をつけていくには、補助月懸垂とこのネガティブプルアップの療法をやっていく効果あります。この2つをトレーニングしている人もいて、私も2つでやっています。
負担が軽めの懸垂と、負荷が高めの懸垂をネガティブでやっていくのがおすすめです。
片手懸垂(チンニング)までのロードマップ
ふつうに懸垂(チンニング)ができれば、片手権水にチャレンジしましょう。
片手でできるようになるには、少しずつ負荷を上げていく方法を取ります。
クローズ・グリップ懸垂
クローズ・プルアップとも言います。
両手で普通にできるようになったら、だんだん手の感覚を狭めていきます。最後は両手が接触した状態で鉄棒にぶら下がって、懸垂(チンニング)ができるようにします。
ロッキー懸垂
アンイーブン・プルアップとも言います。
昔、シルベスタ・スタローンが
映画「ロッキー」の中でやってたので、
ロッキー懸垂という名前がついてます。
でも今は、アンイーブン・プルアップのほうが主流です。
片方の手で、もう片方の腕の手首を握り、
片手でぶら下がって懸垂(チンニング)をします。
握力が驚異的に上がります。
補助つき片手懸垂
補助をつけて片手で懸垂のトレーニングをします。
負荷の調節方法は上に書いたとおりです。
・補助(ゴムチューブ、タオル、椅子を使う方法)
・ネガティブトレーニング
・ハーフレンジトレーニング
補助をつけて負荷を調節しながら、だんだん片手で懸垂ができるようにします。
片手懸垂
ワンハンド・プルアップとも言います。
片手でぶら下がって懸垂(チンニング)します。これがフルレンジでできるようになれば上級者です。
古代ギリシャやローマ兵はこれができるようにトレーニングしていたということなので、昔の軍人さんはできて当たり前だったのかもしれません。ですが、今の日本でデキる人って相違ないと思います。
自衛隊の人でも全員できるわけではないようです。
目標としてはいいですが、
あまりこだわらなくてもいいかな
と個人的には思います。
参考にした図書:
プリズナートレーニング・シリーズ
シリーズ第一弾のこの本では、懸垂(チンニング)トレーニングについて、片手懸垂までの道筋を論理的に説明しています。
この本では、トレーニングの進め方について、全体の考え方を説明しています。
この本では、第一弾の内容をマンガ形式でわかりやすく説明しています。
ストリート・ワークアウト
YouTube でいろいろなワークアウトを解説している Al Kavadlo の本です。
彼のチャンネルは圧巻なので、ぜひ一度、見てください